くまねこ

無名のくまねこのレビュー・感想・評価

無名(2023年製作の映画)
3.6
「無名」トニー・レオン、ワン・イーボー主演映画をHTC有楽町で鑑賞。
初めて見る新進若手俳優、ワン・イーボーの冷徹で艶やかな表情、アクションが印象的。近い将来、もっと大スターになる予感。

1940年代、第二次世界大戦下の上海。中国共産党、国民党、日本軍。お互いの素性が分からない中でスパイたちが繰り広げる一進一退の攻防劇。終始、息を飲むほどの緊迫感に満ちており、ノワール映画、二重三重スパイ映画として楽しめた。

時系列がシャッフルされ、後からシーンの意味合いを納得させる編集もよいし、光と影を意識したノスタルジックな映像、特に鏡に映し出す俳優の表情から滲み出る感情表現、撮影が印象的。

60歳を越えたトニー・レオンが、スタントなしで挑むワン・イーボーとの一騎討ちアクションは本作の見どころかも。

現在の中国共産党万歳の一種のプロパガンダ映画でもあるので、役柄からストーリーは読めてしまうが、重厚なストーリー、緊迫感の高い劇伴、華のある俳優、多数の美人女優が集うエンタメ作でした。戦時中の中国史の知識があればもっともっと楽しめたと思う。(一緒に観た相方は歴史の知識があるのでかなり楽しんだ様子)

また、ワン・イーボー、トニー・レオンのファンの女性客が劇場に集う様子やグッズ類が売れるのは見てて楽しいし、新鮮だった。

#映画無名
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