このレビューはネタバレを含みます
子供への愛情を傾聴し、自らも我が子への愛を語る。
被害者と加害者という緊張の走る関係性ではありながら、
「子供を愛する気持ちは同じ」
と、心の距離を近づけることだけが、唯一の前に進む道だったのかもしれない。
答えの存在しない話し合いの着地点を見つめながら、そんな風に思った。
「また会いましょう」
と、被害者の両親が言っていたのは、そういう通じ合えた部分の表れだったのかなと。
被害者の母親は、汚れて帰ってくる息子のエピソードを笑顔を交えて語った時に、
この世から居なくなっても思い出は残るし、生きてることは無駄じゃなかったと思えたんじゃないかな。
加害者の父親の態度については、初めのうちはあまり良いものとは思えなかったのだけど、子供を庇うことに対して妥協しなかったよね。
態度が硬いがゆえ、被害者側からすれば腹が立つところもあったに違いないけど、あの態度も見方によっては誠実に見えました。
とにかく演者が全員素晴らしかった!
キリスト教のプロパガンダ映画っぽくなってしまっていたのは、ちょっと残念ポイントでしたね。