olive

対峙のoliveのネタバレレビュー・内容・結末

対峙(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかく重い、重すぎるテーマ。
場面はただ教会の一室、ドキュメンタリーのように進む、その役者さんのそれこそ迫真の演技にこちらの息が詰まってくる。
どちらの親も辛い、辛いなんて言葉では表せないほど、被害者の親が何故会おうと思ったのか、6年の月日が過ぎた今。我が子は何故死ななければならなかったのか?死の真相を知りたい、親なら当然そう思うだろう、しかし加害者の少年も亡くなっていてその親は被害者の親よりもっともっと知りたいのだ。何故息子は凶行に及んだのか、自分たちの育て方接し方のどこに過ちがあったのか…、求めても求めても決してたどり着くことのない真相。
吐き出すだけ吐き出し疲れ果てて出た言葉が「赦します」と。これがなんだか唐突過ぎてポカンとする。たぶんこれは宗教的な背景がなければわからないのではないか、許すではなく赦すには過去の失敗を責めないというような意味があるのだとか。 
ラストの加害者の母の告白は彼女がずっと自分を攻め続けた時間を感じた。
こんな映画よく作ったなぁという感想。
olive

olive