【そして母になる】
🇫🇷『燃ゆる女の肖像』セリーヌ・シアナ監督作。絵画的美しさとハイコンテクストな作りは変わらずだが、今回は「ジブリ実写版」のような、敷居の低いかわいいお話に。
昨年映画館で観ようかと思ったが、73分という短さに「もったいない」とスルーした作品(なんともケチくさい話で失礼)。ジブリ的ファンタジーであり、娘・母・祖母という女性3代の「あまちゃん」みたいな話でもあったかな。
マリオンは母を失った悲しみ以上に、母親というアイデンティティーが確立せずに疲れているように思えた。若くしてネリーを身籠ったことで、何らかの夢(女優?)を諦めたのかもしれない。
この不思議な三日間は、亡くなった祖母の優しい悪戯かも。ちゃんとお別れができなかった孫のネリーと最後にもう一度会い、同時に娘のマリオンの疲れた心を少しの間だけ休ませてあげる。そんな夢のような時間を女性3世代で共有したのだ。もちろん父親は蚊帳の外(笑)。
森の小屋➡ボートで池に➡中島に着岸
これ、受胎=妊娠成立の暗喩かも。
牛乳、赤ちゃん。母になる、母でいるのはそれだけで尊いこと。