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イントロダクションの440のレビュー・感想・評価

イントロダクション(2020年製作の映画)
4.6
いやーこれも良い。
完全にホン・サンス沼にハマってる俺。
物語の切り取り方と余白の残し方がたまらない。

生き方について迷いと不安を感じつつ、現実から逃げる青年ヨンホ。

鍼灸院を営む父との関係。
ドイツに留学した恋人。
息子を心配する母。

3つのエピソードで区切られた作品になってますが、ヨンホを中心とした1つのストーリーになってます。
タイトル通り「これから始まる物語の導入部」のようなエピソードが続くんだけど、気になる展開が満載。

お父さんと一緒に働く女性はお父さんと不倫してるのかな?
お父さんとお母さんの共通の友人である俳優のおじさんは、有名な人と言ってたけど何者なんだろ?
彼女の母とキム・ミニ扮するドイツに住む画家との関係は?
一緒に付き合ってくれた友人とヨンホとの関係は?

会話をヒントに色々妄想が膨らんじゃって超面白い。
そして海で彼女と会話する後半の重要シーン。
これがまた余白部分となるヨンホの人生に何が起こったのかを考えさせられる魅力と妄想が心地良くてたまらない。

今作もダメ男たちの悪あがきと現実逃避を見ながら、やっぱりキム・ミニの美しさにうっとりしちゃいました。
全編白黒で描いているのも夢と現実が曖昧な感じが出ていて良かったな。

今作でもホン・サンスは俺の心を掴んで離してくれませんでした。
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