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明け方の若者たちのdarumaのレビュー・感想・評価

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
3.8
松本花奈監督に惹かれて。
まさに!監督の真骨頂です。

黒島結菜ちゃん好きすぎた。まず服装が!
いくつか作品観てるけどこんな大人っぽい感じ、初めて観た。
なんていうか、今まで「おきゃん」みたいなイメージの方だったんですが、こんな役もできるのね…凄い。
そして北村匠海くん!
個人的に特に思い入れは無い俳優さんですが、これはいいなぁと思っちゃうね。
見始めは、意外と顔が濃いなぁ…くらいの印象だったのが、表情から目が離せなくなる系の演技でした。

でも、本作で一番美味しいのは尚人を演じた井上祐貴くんでしょう!!めちゃくちゃカッコよかった。いい役。冒頭で制作にホリプロが入っていたのでああ…とは思ったけど(推してる人なんだろうなと)、それを差し引いても良かったです。ドラマ群青領域にチラッと出て来てカッコいいなぁと思って調べた時にホリプロって知ったんだったかな?まさかのここでこんな形で再会できるとは…観ておいて良かった。
(この方、特撮出身なんですね…!なるほど。テレ東系で特撮やってるの知らなかった!ニチアサ以外にもあるのね…ますます好感)

あと、事前に予習しておいてよかった…!
まず松本監督、また!工事現場のシーンありました。余程お好きなのかな!?それとも監督の作品を追ってくれてる人だけにわかるように…?^^(とか言ってただの偶然だったりして)

そして脚本の小寺和久さん、直近でデイアンドナイトを観ましたが、本作にも山中崇さんと佐津川愛美さんが出てました!山中さん相変わらず美味しすぎる…(笑)

別の用事で今、東京に来ているんですが、前乗りで時間があったので松本監督と小寺さんのトークショー付きを観る事ができました。松本監督が物凄く美人で驚いた…!お写真拝見していたのと、ドラマ鈴木先生の時のイメージがあったので、ややキツめな感じの方なのかな…?と思っていましたが、全然!!とても思慮深そうで静かに話す方でした。といっても独自ワールドではなくちゃんと周りと合っているというか。

余談ですが女性監督はただでさえ厳しそうな映画業界で監督をされてるくらいなのでキツそうなイメージがありますが、意外と調和の取れた方が多いのかな?以前、テレビで西川美和監督を見た時の事をふと思い出しました。(全然タイプは違うと思いますが…)

肝心の映画に関するトークとしては、キャスティングはまず北村匠海くんが決まって(だと思った!完全に彼を魅せる映画だし、監督はSDPの所属なんですよね。北村くんスターダストだから)、次に井上くん(これも前述の理由で納得)、やはり黒島さんの役が難航したそう。でも、見事に演じてくれたと脚本の小寺さんがおっしゃってました。私も匙加減が絶妙だったと思います。

脚本とキャスティングが並行だったようですが、原作もので、原作がかなりヒットしていたので基本的にそれに寄せる方向で、キャストにはあまり引っ張られないで脚本を書かれたそう。肝のシーンがあるのですが、やはりタイミングはかなり考えられたようです。

あと、餃子のシーンは原作には無いらしく(原作はサイゼリヤだったけど使えなかった?みたいな事を言われてました)、必然的に話す内容も変えなければならず、最初は監督がメニューの材料当てクイズを提案されたけど、それはどうなの!?となり、現在のシーンに落ち着いたそうです。いろいろ大変なんだなぁ…と思いました。でもナチュラルでいいシーンでした!

脚本の小寺和久さんは割と社会派のイメージなので、まさかこんなに恋愛恋愛してるとは思わず、ちょっと意外でした。監督とは以前からお仕事を何度か一緒にされていて、たまたま?小寺さんが沼(恋愛の)にハマっていた時期に監督に来たお話だったのでお誘いしたそう。なるほど…
この後、さがすが公開になりますが、そちらは今までのイメージに近そうな感じというか、本作とは180度違うというか。2作とも同じ劇場でかかるそうで、喜んでいらっしゃったのが印象的です。あと,エゴサしてると言ってました!この作品は賛否両論で嬉しいそうです(意見したくなるような作品という事だから)。でも松本監督は(否の方には)凹んでるとおっしゃってました…皆さん優しいレビューを(笑。←これは私が思っただけ)
ちなみに私はなんとなくわかるな、と思いました。好き。

主役の二人は役名は無く「僕」と「彼女」です。
実は撮影時にはあったそうなんですが、観客に、より自分事と感じてもらうために、名前は無しにしたとのこと。凄くわかるし、効果的だったと思います。

パルコ配給なだけにまさに「エモの極み」みたいな作品。
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