佐藤伸治の声かけで結成したバンド、
フィッシュマンズに関わった人々の証言で、
結成のいきさつ、デモ音源や詞の魅力、メンバーの脱退と新規加入の変遷、制作スタイルの変化、メンバーの心情の変化、佐藤の中にあった焦りや失望感、孤独感について語られる。
フィッシュマンズの誕生・興隆・スクラップ&ビルド・継続を描いたドキュメンタリー。
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曲の世界も相まって、バンドのもがきや焦り、すれ違いが描かれていて、とにかく重い気持ちになった。
佐藤氏のカリスマ性がなければフィッシュマンズは存在しえないけど、
そのあまりのカリスマ性が、どこか関係者が離れていく要因にもなり得ているという、どうにも解決されないもどかしさが常にある。
やりたいことをただやるということの、難しさと現実を突きつけられながらも、
そのしんどさがあるからこそ、フィッシュマンズの浮遊感のある音楽は、よりドリーミーに、ドラッギーに聴こえてくる。
それが心地良くもあり、ズーーンと重くもある、フィッシュマンズのヤバさが凝縮しておりました。