このレビューはネタバレを含みます
岩浪ホール有終の美を飾るに相応しい、本当の知、知ることとは何かを教えてくれる作品だった。
無学なのでブルースチャトウィンを知らずに見たので、紹介するようなドキュメンタリーを想像していたけど、もっと監督の個人的な友人の記録映画。
きっとずっとチャトウィンの足跡を残したいと思っていたんだろうな。
歩いてみた人間にだけ見えて来る世界のかたち。生きてみること。
鑑賞後早速パタゴニア、ソングライン、ウィダの総督を読んだ。
アメリカのビート文学が好きなので何か通じている。どれも良かったけど、ソングラインはやはり別格で素晴らしかった。
なんとなく芦奈野ひとしももしかしてチャトウィン好きなんじゃないかと思った。
映画とあわせ、旅に出る意味が自分の中で変化した気がする。
戦後日本の教育文化を支えた、岩浪ホールの閉館が心の底から悔やまれる。
岩浪ホールの教えてくれたことを自分なりに地肉にしていきたい。