ノーカントリーのヤマニシのネタバレレビュー・内容・結末

　追いかけてくる敵のキャラクターと主人公との駆け引き、全体的な緊迫感がいい。特に殺し屋はどこまでも追跡してくる執念深さが恐ろしく、戦闘能力も高い。何より話が通じない感じがにじみ出ていて怖い。ガソリンスタンドでのやり取りが、言葉は通じるけど話は通じていない描写として秀逸。自分の流儀を一方的に押し付けてきて、核心に迫るようなことを濁しながら不安な気持ちにさせる得体のしれない会話をしてくる。持ってる武器も、カモフラージュのためだろうけどビジュアルが無骨すぎて逆にかっこいい。機能性全振りで人を殺すのに特化した武器って感じがいい。
　一方でストーリーは薄味というか、会話劇がメインなためかそこまで意外な展開にはならず、主人公が殺されたシーンも事後の描写のみだったのでもったいなかった気もする。サスペンスとかクライムものっていうよりはホラー映画に近いと感じた。