〈/表か裏か...どっちだ?/〉
『ノーカントリー』
コーエン兄弟製作のサスペンス映画。代表作『ファーゴ』のようなユーモアは影を潜め、バイオレンス具合は倍増しちゃってます。
原作者は『ザ ロード』のコーマック・マッカーシー。
哲学的なセリフが散りばめられた作風で知られる作家さんですね。
俳優陣は
○トミー・リー・ジョーンズ
BOSSのCMのあの宇宙人です。
○ハビエル・バルデム
『007 スカイフォール』で圧倒的な存在感で悪役を演じきっていた俳優さん。今作でも狂ってますよ。
○ジョシュ・ブローリン
ハリウッドリメイク版の『オールドボーイ』で渋い演技をしてましたね。
そして肝心の内容は...最高でした!
バルデムさん演じる絶対悪・純粋悪的存在〈アントン・シガー〉がもう怖すぎる!そこいらのホラー映画よりよっぽど恐ろしい!!
冒頭の首締めシーンで靴跡がつくあたりにリアリティを感じました。
そしてジョシュ・ブローリンの男らしさ、人間臭さが物語に深みを与えています。
ジョーンズさんも最後の“夢”の話でこの映画の解釈を広げる重要な役割を見事に演じていました。
ラストあたりのシーンで、青信号を渡ろうとするシガーが交通事故を起こしますが、そこで僕は『ああ、狂ってるのはシガーだけじゃないんだな』と思いました。
世界全体が狂ってきている。保安官のセリフでもそんなことを感じさせるものがありましたから、原題の『No Country for Old Men』には、そのような意味が込められているのかなぁと考えさせられました。