rage30

ライダーズ・オブ・ジャスティスのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

妻を失った男の復讐譚。

序盤はよくある復讐モノのジャンル映画風に始まりますが、本作が面白いのは主人公の仲間となるのがボンクラおじさん3人組である事。
愛すべきダメ人間というか、彼らのオフビートな言動にはホッコリさせられるし、殺人マシーン化する主人公との対比も効いてて、なかなか面白かったですね。

そんな感じでコメディー色の強い作品ではありますが、一方で陰謀論やアルゴリズムにハマる事の恐ろしさを描いた作品でもあり、もっと言えば、自分の問題と向き合えない男の弱さを描いた作品でもある。
主人公は認めたくない現実を前に、外へ外へと原因を求める事で暴走していき、やがて周囲の人間を傷つけてしまうのです。

個人的に、ボンクラおじさん達のグループが良いなと思っていて。
ただのオタク仲間と思いきや、実はそれぞれが心に傷を抱えていて、お互いに労わり合っている事が分かる。
ある種のグループセラピー的な関係性であり、最終的に主人公も彼らに癒されていくと。
ボンクラおじさん達は怒りに任せて人を殺す事は出来ないけれど、人の悩みや苦しみに共感し寄り添う事は出来るのです。

脱・男らしさの物語としても、すごく有効な作品だと思ったし、これからの男性には参考になる部分も多いんじゃないかな?
陰謀論にハマったり、ミソジニーを拗らす前に、自分の弱さと向き合い、助けを求められる男になりましょうね。
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