CINEMAと暮らす

新しい風のCINEMAと暮らすのネタバレレビュー・内容・結末

新しい風(2021年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

恋する妖精と自我崩壊天使が織りなす破壊と再生の物語

大晦日の夜に終電を逃したコタロウは、ずっと好きだったヒカリに告白をする。良いムードが流れ始める間もなく、ヒカリの旧友が登場し、3人は寝床を探して、ヒカリの友人あんずを訪ねる。大晦日の夜にやって来る無粋な客人に同棲中のタカヤの怒りが爆発する。



大晦日に好きな人に会えるだけでも最高にハッピーという前提がどんどんと崩れて、物語はコタロウ(妖精)からタカヤ(天使)にシフトしていく

誰しもストレスが溜まると塞ぎ込んで、自己防衛に徹してしまうが、変態天使になること稀だろう。
ただ、大晦日だというのに同棲中の恋人が自分以外の人に愛想を振りまくのを見るのが許せない。そんなピュアさとクールな性格との振り幅が変態天使を生み出してしまった

敵に囲まれるトラウマを孕んだ家に帰りたくない
変態天使をなだめるため、赤いきつねと人生訓を届ける優しい妖精コタロウ

天使を家に帰すミッションを終え、疲労がピークに達したコタロウはタカヤとあんずがまた仲良くなる夢を見る

自分のことはそっちのけで、タカヤを元気づけるコタロウにエールを送りたい。