CINEMAと暮らす

こころざしと東京の街のCINEMAと暮らすのネタバレレビュー・内容・結末

こころざしと東京の街(2023年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

ドストレートかつ、シンプルな高校生あるあるを詰め込んだ物語。リョウはなにかやりたいけど、その何かはわからない。わからないから進路も決まらない。一方、ヒロは現実的な視点で潰しが効くような進路を選択する。2人の道はT字路で別れ、再び交わることなく、物語が終わってしまう。

台詞に覇気がなく、無機質なテンションでの会話が逆にリアルな高校生の気持ちを反映させているようにすら見えてくる。それだけ、多くの高校生にとって、進路の選択は消去法の魅力にかける作業になっているのかもしれない。

一応、自分も受験を経験はしたけれど、「絶対にこれ!」という道はなく、「なんとなく好きだったからこれかなぁ?」という感じで進路を決めた記憶がある。それは現在進行形で、常に選択に迫られ、その結果が正しかったのかどうかを考え続ける日々だ。しかし、あくまで結果は経過観察であり、一時点の結果を繋げて、推移を楽しむようなものだと私は捉えている。

なので、この物語で2人の道が交わらなかったことも失敗を意味しない。今後の人生で何が起こるかはわからない。意図して交わらせなくてもいいし、交わる努力をしてもいい。いくつもの選択の結果の推移を楽しむ。それくらいのモチベーションでいた方が生きやすいような気がする。