凛

2gether THE MOVIEの凛のレビュー・感想・評価

2gether THE MOVIE(2021年製作の映画)
4.4
タイの映画というと『バッド・ジーニアス』のスマッシュヒットがあったが、今作はドラマを経て映画化。
コロナ禍で本国タイの公開は延期されたままなのに、日本が世界最速上映。
日本の大規模シネコンでの上映というかなり珍しいケース。

ドラマ『2gether』がYouTube・楽天TV・WOWOW と確実に日本のファンを増やしてその完結編となる映画には大いに期待したが、ドラマ部分の再編集にはコメディ寄りからロマンチックな演出に変わり、心情を重ねることで新しい発見があった。
新規に撮影した部分はその後の彼らを堪能出来る。
ドラマを観た人には懐かしく、ドラマを観ていない人には2人の出会いから楽しめる。

大学の軽音部を舞台に、主人公タイン(Winメタウィン)が実在のバンドScrubbが好きなので、楽曲がふんだんに使われる。
偽の彼氏になるサラワット(Bright ワチラウァット)は歌も演奏も上手いので、劇中での歌も見所の一つ。とにかくカッコいい。

恋に落ちた瞬間、好きだという気持ちを伝えるドキドキ、交際スタートまでの駆け引きと恋愛ストーリーは巧みで引き込まれる。
多様性のある恋愛模様とそれを見守る優しい仲間達。誰も悪い人が出てこない、底抜けに幸せな展開はまさに多幸感。


タイドラマはほぼ現地とリアルタイムでYouTube に英語字幕付きで配信される。
世界中に観てもらうことを前提にした作品作り。結果として世界中に広まり海外各国にファンを獲得している。
こうした海外戦略をみると、日本のように国内消費を目的としているドラマはかなりもったいないと感じる。
エンターテイメントの可能性を考えさせられる。
凛