凛

52ヘルツのクジラたちの凛のレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
4.0
原作未読。
成島出監督、観なければ。

家族、親子、夫婦いう呪縛。

存在を人に知られることなく密かに苦しむ、ヤングケアラーの貴湖(杉咲花)
ひとり親(真飛聖)からは日常的に暴力を受けている。。

ヤングケアラーの辛さ。
同じ年代の子供が学校や部活、遊んだりする中、相談する人もなく、ゴールの見えない介護に忙殺される日々。私ばかり、、と思うのも無理はない。
親からの暴力を受けても、親は子供を愛しているという思い込みから自分を責めてしまう。

救いの神の友人美晴(小野花梨)と安吾(志尊淳)

人の心の中は分からない。
LGBTQ+の悩みを抱える安吾の貴湖への複雑な想い。

裕福な社長の息子主税(宮沢氷魚)と出会い、幸せになれるかと思いきや、主税の冷たい裏切り。
逃げた先で出会う育児放棄されている52(桑名桃李)を助ける。

誰からも見えず、心の叫びは誰にも届かない。
透明な苦しみ。
もしかしたら自分の周りにもいるのかもしれない。

原作に寄るのだと思うが、暴力を振るう母親、育児放棄する母親、交際相手にモラハラする男。。
描き方が画一的なのは少し残念。
彼らにも彼らなりの理由があるのだろう。

杉咲花の圧倒的な演技力。消え入りそうで危うい。
以前にもLGBTQ+を演じた志尊淳も気持ちの揺らぎを的確に表現していた。
凛