ヒノモト

I AM JAM ピザの惑星危機一髪!のヒノモトのレビュー・感想・評価

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俳優としても活躍されている辻凪子さんの初長編作品で、無声映画です。
上映形態は、サイレント映画の映像に、活弁士による語りと生ピアノと実演が含まれるものと、あらかじめ語りと音楽が録音されているものの2通りあり、吹込版を鑑賞しました。

正直、後悔しました。
絶対に活弁実演版を観るべきでした。

従来の活弁の語りにはないですが、今作では観客側に語りかけるような場面や、拍手を促すような仕掛けがあって、これが実際の実演で聴いていたら、もっと積極的に参加できたと思いますし、より一体感を感じられた体験になったと思った次第です。

映画自体は、バスターキートンやチャップリンのようなスラップスティックなコメディとEテレの子供番組のようなファミリー向けのファンタジーが合わさったような感じですが、それを活弁士による語りに乗せて、台詞や心情を含めたものとして伝え聞くと、言葉の伝わり方が「台詞」で聴くよりも素直に入ってくる印象で、耳心地が大変良かったです。

それなのに、個々のキャストの個性は生かされたままで、キャラの魅力に溢れていて、また目くるめく舞台の転換も、手作り感や手動で動かしているようなギミックもあって、温かみを感じるとともに、物語自体もコメディであることに救われているところも多かったです。

大人の鑑賞には物足りない部分も若干ありますが、ノスタルジーな部分も含めて、幼児から高齢者まで幅広く楽しめるエンタメ作品になっていると思いました。

再演される時は、絶対に実演版を観ようと思います。
それまで、スコア付けないでおきます。

本編ショット、舞台挨拶写真を含むブログは以下にて
https://ameblo.jp/hinomoto-hertz/entry-12778885900.html
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