旅するランナー

テーラー 人生の仕立て屋の旅するランナーのレビュー・感想・評価

テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)
3.6
【仕立屋さんの世界】

ギリシャ・アテネの仕立屋さん。
父から技を受け継ぎ、ふたりで高級スーツ店を長年営んできた。
売上はさっぱりで銀行からのプレッシャーがあり、加えて父が倒れてしまう。

ここで一念発起。
自作屋台でスーツ販売を始めてみる。
するとウエディングドレスの注文が入ってきて...
スズキのバイクで屋台を引っ張り疾走する姿がカッコいい。

待ちの姿勢から攻めの姿勢へ。
男だけの世界から、女性顧客のニーズに応じる世界へ。
アダルトチルドレンから大人の男へ。
静かにではあるが、着実に成長し、世界を広げていく姿が描かれます。

これがフランス映画であったなら、もっとオシャレに、もっとテンポよく、笑いあり涙ありな作品になっていたでしょう。
しかし、そこは、ギリシャの世界、あくまで素朴に、あくまでゆったりと、ゆとりを持ったストーリーになっています。
奇をテーラーう(衒う)ことなんて致しません。