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コーダ あいのうたのピポサルのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.4
ギブアンドテイクのあり方が変わることでルビーと家族が人生の次のフェーズに進むお話。それまでルビーは漁の手伝いだけではなく通訳として家族と社会をつなげる貢献をしてきた。監視員同乗の日にいなかったことで家族が危機的な状況に陥ったことをあたかも自分のせいにされてしまうのは誰も悪くないのもあって見ていてとても苦しかった。ただ、好きという気持ちを忘れず歌うことに取り組み続けること、そして家族、特に父親が周囲のリアクションからルビーの才能を信じて送り出す機会を与えることで希望は叶えられた。ルビーはオーディションで家族に向けてギブをしたんだけど、このクライマックスが象徴的で、いくらでもスケールの大きなラストにできるのにあえてミニマルな世界にすることでルビーとその家族の物語だということを強く感じることができた。
随所に見られる心情ではなく身体的な違いのある相手への思慮がどれも思いやり溢れるもので、観終わったあとに前向きになれる映画。あとルビーがkooks好きなのもグッド。
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