YAJ

コーダ あいのうたのYAJのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

【Children】

 米国アカデミー賞のノミネート作品が発表され、濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』が日本映画としては初の作品賞ノミネートというのは、ちょっと楽しみ。

 さて、その『ドライブ・マイ・カー』と作品賞と脚色賞の2部門で争うことになる『Coda』だが、たまたま元になった仏映画の『エール!』(2014仏 原題 La famille Belier )をアマプラでつい最近鑑賞してしまい、見る気が失せていた。
 『エール!』も悪くない作品だったので、リメイクした『Coda』もそれなりの面白さはありそう。でも、わざわざ観る気は・・・

 と思っていたら、私が上京してる間に奥さんが劇場鑑賞してきたらしい。元の仏作品の粗削りだった部分が丁寧に作り込まれていて「上手だった」とのこと。それでも、それも想像の範疇かな~、まだ食指は動かない。
 けど、持ち帰ったフライヤを眺めていたら、母親役がMAREE MATLINだ!30年ぶりくらいにその名前を見た。彼女のデビュー作『愛は静けさの中に』(1986)は、『ボディ・ガード』(1992)以前では一番繰り返し観た作品だった(SWシリーズ除く)。

 その作品でウィリアム・ハートのファンになったし、聴覚障碍者の主人公サラを演じた彼女の魅力がなにより素晴らしかった。当時、史上最年少での米国アカデミー賞主演女優賞受賞も大いに納得の演技だった。

 こりゃ観てみたいな、とようやく思った。家族を支える一人だけ健聴者の少女の物語。聴覚障害の家族全員を実際に聴覚障害のある役者さんを起用するあたりがハリウッドの裾野の広さだ。
 けど・・・、うーん、どうしよう。まあ、オンライン配信になってからでいいかな。

 いずれにせよ、アカデミー賞での2部門で『ドライブ・マイ・カー』との争いは楽しみだ。
 ちなみに、「CODA」は、「Children of Deaf Adults= “⽿の聴こえない両親に育てられた⼦ども”」のこと。『愛は静けさの中に』も原題は「Children of lesser God」。MAREE MATLIN出演作の不思議な符合も面白い。
YAJ

YAJ