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シン・仮面ライダーのdoubleのネタバレレビュー・内容・結末

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

個人的好き度 S

(熱が冷めないうちとりあえずバーッと感想を書いたのでもうちょいまとまり次第追記修正する予定)

この映画の感想を語る前に近年の仮面ライダー作品で東映に思うことがある。
それは過去作に対するリスペクトの無さ、つまり愛の無さだ。
原点1号は除き人気のあったアマゾンやBLACK、電王など一部を除き、旬が過ぎればすぐ集合映画などでテキトーな扱いをし、更には最近誰彼構わず「仮面ライダー」の称号を与える。
商売的にも仕方ないことなのかもしれないがその辺りがだいぶ、不満だった。
それは東映の方針なのかと思いきや、兄弟分のスーパー戦隊は特にそんなこともないから余計にそう思ってしまう。

その辺が今だに過去作へのリスペクトを怠らない円谷との違いなのではないだろうか?
その愛の無さが近年のオーズ10周年映画や近年の令和ライダーにツケとしてのしかかったのではないかと思っている。

……前置きが愚痴も入り少し長くなったが、ではこのシン仮面ライダーはどうだ?
監督はウルトラマンと同じくらい仮面ライダーの超ヲタク、庵野秀明。
彼が作った仮面ライダーはどうなったか…というと、それはまさしく「仮面ライダー」に対する愛とリスペクトが詰まっていた。

……いや、詰まりすぎていた。

まずシナリオはシンウルトラマン以上にテンポが早い。
本郷はいきなりもう改造ずみだし、
(近年の表現で改造人間ではなく『アップグレード』と呼称していたのが印象的)
緑川博士との関係もなんかとりあえず前から知り合いだったくらいしかわからない。

(原点もまぁそんな感じだが)

蜘蛛男もといクモオーグとの戦いはかなり原点の1話に近く、後ろを追ってたのに急にクモオーグの車の前にいるライダーとかちょっと考えたら変なとこも再現している。
(バイクで追い抜いた描写もなし)

戦闘シーンは意外にグロく下手すりゃ18禁だったBLACKSUNやアマゾンズよりもちょっと血の描写がキツかった。

怪人が泡になる描写も理由をつけるところは理屈っぽい庵野作品っぽさを感じた。

しかしメインとなるライダーキックやバイクシーンは良いが、本郷視点から攻撃する描写はワザとだと思うが画面がブレまくり見にくいのが難点だった。
これは終盤のショッカーライダー戦にも言えることだが。
(こっちは暗くて速くて何が起きてるかわからない)

またショッカーの被害がそんなに見えてないことも少し残念ではあった。

一応、コウモリオーグのウィルスに感染した人やハチオーグに操られた人も出ているが、その辺の描写は拉致監禁や怪人の実験として殺害シーンがある原点のショッカーより恐怖感が無かったのも難点。

一文字隼人が仲間になるくだりもかなり速い。
一応、原点と同じくカメラマンでちょっとお調子者であることぐらいしかわからなかった。
しかし一文字は柄本佑さんの演技のおかげかかなり良いキャラクターに仕上がっていた。
(「お見せしよう」のオマージュも良かった。)

またケイ(ロボット刑事)やチョウオーグが青い蝶=イナズマンのオマージュもありその他石ノ森作品にも敬意を払っているのも良かった。

ハチオーグ戦の高速描写は監督が好きになった仮面ライダーカブトのクロックアップだろうか?

ハチオーグ演じる西野七瀬さんはおそらく今作で一番アニメチックというか…、キャラも含めて西野七瀬さんのファンが増えるんじゃないかと思うくらいに良いキャラしていたと思う。
(片袖をめくった時に、ドキッとしたのは私だけではないと思いたい。(笑))

シークレットゲストも豪華だった。

まさかホントにシンシリーズ全てに出るとは思わなかった竹野内豊さん。
まぁ、こっちはまだ想像できた。

ソッコーで斎藤工さんも出てきたときは少し笑ってしまった。
しかもラストで明かされる名前が竹野内さんか「立花」で斎藤さんが「滝」。
おやっさんだったのか(笑)

斎藤さんと池松さんが横並びになっているシーンを見たときは「シンウルトラマンVSシン仮面ライダー」いけるんじゃないかと思ったのは私だけではないはず(笑)
しかも数分しか出ない蠍オーグに長澤まさみ、カマキリカメレオンオーグが本郷奏多(だよね?)とかよくそんなに豪華に使えるなという布陣が勢揃い。
(松坂桃李、中村トオルはわからなかった、ケイとクモオーグ?)

長くなったが仮面ライダーに対する愛情やリスペクトは滅茶苦茶感じれる作品だ。

しかしシナリオは先にも言ったとおり、シンウルトラマンよりもテンポが良くも悪くも速くイマイチ、キャラクターもどういうやつかわからないもの多い。
またシンゴジラの「まずは君が落ち着け」やシンウルトラマンのメフィラスの「私の○○な言葉です」「割り勘でいいか?ウルトラマン」のようにどこか印象に残る台詞も無かったのもちょっとキャッチーさには欠けていた。

ラスボス(森山未來)がやりたいことも結局、言ってしまえば人類補完計画と似たようなとこがある。

あまりにも庵野監督のライダーリスペクトが強すぎるので万人にはオススメ出来るかといえばそうではないが見て損はない作品だとは思う。
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