矢吹健を称える会

女と男のいる舗道の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)
3.9
 オープニングがアンナ・カリーナのクローズアップ――主人公が逮捕された時のものだと後に判る――だが、そこで流れるテーマ曲の短さに驚かされる。しかも顔の正面・左側・右側と、カメラの位置が変わるたびにこのテーマが流れる。強烈。『裁かるゝジャンヌ』の途中のクローズアップも至極強烈。
 「管理人にバレないように鍵を盗みに来る」というしょうもないシーンを迫真のアクションで見せるあたりやはりゴダールはすごい。第12章の簡潔ながら戦慄させられる幕切れも完璧。ここはカメラワークに黒沢清感がある(逆だろ)。