味噌のカツオ

君だけが知らないの味噌のカツオのレビュー・感想・評価

君だけが知らない(2021年製作の映画)
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始まってしばらくは見ていても状況が読み取れず。
現実と幻覚、そして過去の記憶もないまぜで、全くついて行けず。

恥ずかしながら、登場人物の名前も誰が誰やら…みたいな。
でも夫が怪しいのは ぼんやりと感じましたが。

しかし後半、いわゆる謎解きパート。
あの交通事故に遭いそうだった女の子、雑踏で見失った少女(絵や図面を入れる円筒のケースを抱えてた)の正体がわかって…あああぁ…となりまして。

ネタバレっぽくなりますが、スジンが見ていた(未来とされる)幻覚が実は…だったと。
そうして話がつながってからは、前半の理解不能だった展開が一気に整理されて。

それだけでも結構スッキリしたのに、さらに発見された死体のトリックが明かされ。
映画の持つ面白味もガラリと変わっていきます。

そしてダメ押し的に、途中で刑事が“新郎新婦”の写真を見てつぶやいた「これは逆じゃないか」という言葉の真相が描かれて。
赤く滲んだふたりの瞳に、こちらも涙が止まらなくなるという。
もぅたまらなかったねぇ。

しかもこれだけ楽しめて、上映時間100分というコンパクトさ。
これも素晴らしい。

先述の通り前半はしんどかったですが、見終わってみれば 深すぎるほどのピュアな思いに包まれた作品。
予想以上の満足度でしたよ。

もしかして母親はガス爆発で…?
味噌のカツオ

味噌のカツオ