このレビューはネタバレを含みます
すこぶる評価の良い作品。
ここで否定的な感想を書くことは、とても勇気がいることだけれど、
私は個人的に梨花が好きになれない。
どんな事情があるにせよ、彼女の行ったことは彼女自身が決めたリレーであり、果たしてそれは涙を流すことなのだろうか。
母を亡くした娘は、梨花の出現によって亡くなった母親の代りを得て、次にピアノを、そして優しい父親を手に入れる。
普通に生活していたら、3人の父親、2人の母親から愛情を得られることはない。
何より、実の父親の事業の失敗で苦水を味わったかもしれない。
けれど実の親子の絆を断ち切る権利は、どんな事情があったにせよ、彼女にあったのだろうか。
母親のバトンを握るのが辛くなったとき、実の父親に戻すことはしなかった。
ひとりの女のコの人生を自分の物差しですすめ、幸せを天秤にかけた。
ひとつひとつのエピソードは、とても素敵なものであり、田中圭との親子関係の描き方はとても好き。
でも、私は泣けなかった。