描きたいことはわからんでもないが…
やらんとしてることは面白そうだけど
描き方が雑という印象。
序盤30分まではハリウッドという夢の街で過ごしながらもくすぶり自分が何をしたいのかすら見失ってる主人公が、自分よりうらぶれたヒッピーのような身なりだがどこか光るものを感じる青年リンクと出会い、彼を撮り、彼と会話することで視野が広がり再び前向きな気持ちを取り戻す過程が描かれる。
ここの情緒は青臭いのだがロマンチックに描かれててなかなか素敵。恋愛未満の関係で彼女も自分が惹かれてるのが彼自身なのか人生の光明になり得る素材（タレント）としての彼なのか判別できてない淡さも先の展開に期待をもたせる。
マヤサーマンホークの上京燻り芋娘演技もすでにストレンジャーシングスで証明済みで可愛らしい。彼女が好きだからたのしかった。
ガーフィールドがその日暮しのフリーターにも関わらず人を楽しませる陽気さを備えててこれは自分にとって理想かも…て思わせる説得力があった。
同僚だったフランキーが突然取られて作家としての仕事に徹しながらもやきもき横恋慕するナットウルフがとてもよかった。彼がショーパブでピアノ弾いてる所いい。
リンクの本当のことを喋ってるんだか適当にその場しのぎで口八丁言ってんだかってキャラは好きな類型なので楽しく見れた。こういうカリスマスリラー好物。
ネットの化物になる男が元々『カメラが嫌い』（iPhoneや SNSよね）というのは面白いと思った。得てして才能が眠ってるのは欲してる人とは別の場所だったりするていう部分にはリアリティがある。
問題はYouTuberという設定なのに、彼らの番組が全くYouTube動画っぽくなくてTVショーの劣化版に見えるところだ。チープで古臭く、さして魅力的に映らない映像の羅列だったりするのがほんとうにリアルさを欠いてる。これで人気が出ましたと言われてもわかんねぇ、自分もYouTubeやSNSは疎い方なので知らんけどそれでももう少し勉強しなはれと思う。
はじまり方も気取りすぎてるし（というか狙いすぎてて古臭い？）、序盤も序盤ネズミの着ぐるみで色々捲し立てて大衆がカメラを持って寄ってくるという展開に説得力を持たせるほど面白い事を言ってたとも思えなくてそこはどうかと思う。
展開もまぁなるよね…て思ってたリンクの変貌というところまでで話が止まってるし、主人公のフランキー（マヤホーク）がそこに対してどういう決断を下すかアクションを起こすかの話だと思ってたのに、ただ彼から離れるという選択がラストにくるのは物語として解せない。
退いてかといえど夢を追うのを諦めたのかも判然としないし、ナットウルフの肩にこてんじゃねーんだよ！って凸したくなる。
結末の三歩手前で止まって終わった感じ。残り三歩で地獄絵図が待ってるんだと思って見てたのに…
【好きな場面】
○フランキーとリンクがファミレスでパーソナルな話になり、ふざけて机の下に潜り込んでイチャイチャする場面。
○どっかの屋上プールで子供のお守りの仕事をしてるリンクのとこにフランキーが来るとこ。どこからあんな仕事を…
○勢いで仕事を辞めたフランキーが絶望してるとリンクが色々捲し立てて音楽鳴らして2人で踊り出すところ。
【名言語録】
ー賢くなるには
まずバカにならないと！
