アルトマン作品にはどうしてエキセントリックで破壊力のある女がいつも登場するのだろう。今作は「キャリー」のシシー・スペイセク扮するピンキー、「シャイニング」のシェリー・デュヴァル扮するミリー、そして絵を描き続ける妊婦ウィリーがとうとう最後まで一貫した謎の雰囲気とシュールな世界を醸し出す。
オープニングはリハビリ施設の温泉。ここで既に異様さの片鱗が見え隠れ。そこで勤務する者たちの意味深な言動。帰宅して白パンツを手洗いするピンキー。いつも車のドアに挟まれるスカート。ウィリーが描く奇妙な壁画…枚挙にいとま無し。とにかく謎。ずっと「?」。でも磁石みたいに惹きつける雰囲気はさすが。
水槽越しの描写や溢れる黄色に痺れる視覚。どうやらアルトマンとは波長が合うようだ。