ちぇるごまる

ひまわりのちぇるごまるのレビュー・感想・評価

ひまわり(1970年製作の映画)
3.7
名作を初鑑賞。

ひまわり畑の下には今も大勢の戦争犠牲者たちが眠るという。
私たち人間はなぜ戦争を繰り返すのか…。

戦争によって引き裂かれた新婚夫婦。
何年も帰りを待っていたのに列車から降りてきた帰還兵の中に夫は見つからず、周囲からは彼は死んだのではと言われるが、夫は生きていると信じ、時間とお金を使ってはイタリアから言語も通じないロシアに渡りあらゆる手段で探し回る彼女。
やがて、たどり着いた先には…。

実際に、ヒロインのように夫を探す行動にうつす女性は少なかったと推測するが、戦時中はこの夫のように異国の地に住み着く人はたくさんいたのだろう。
彼に家庭があると知り、彼女が彼を愛するがゆえに抱く憎悪は当然だが、後に辛くともそのどうしようもない事実を受け入れ、新たに自身の人生を切り替えて懸命に生きるヒロインにそれまでとは異なる逞しさを感じた。
その後の元夫との再会と別れは、お互いに執着することなく今のそれぞれの人生を受け入れ歩んでいくスタートなのだろう。

個人的には
・オムレツに卵使い過ぎじゃね?
・食べてる最中、後ろのコンロの火消そうよ!
・残したオムレツ、そのまま窓から捨てようとするってどうよ?
・駅で夫と再会した瞬間、いたたまれなくなり咄嗟に列車に飛び乗ったけど…鞄は?
・義母が自宅来訪の際に、掃除用具一式を窓から放り出す?
などなど、ややツッコミ所はありつつも、展開が気になり最初から最後まで飽きずに鑑賞出来、気丈に生きるヒロインの姿に悲哀と愛深さを学べた作品。
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