過去に観て、印象に残っている本作を再鑑賞してみた。
1960年代後半から約10年間にわたるドイツ赤軍(バーダー・マインホフ)の革命活動を描く。アンドレアス・バーダーとウルリケ・マインホフが中心となり結成された革命組織である。
きっかけは学生デモで起こった射殺事件。ひとりの学生が警官に射殺された。
ここからバーダー・マインホフが結成され、活動が始まる。
初めて観た時にどう思ったのかはわからないけれど、再鑑賞してみて、理想のためとは言え、彼らのやり方はやり過ぎのように感じた。あまりに犠牲者が多い。
他にもっと賢いやり方はなかったのか。
ジャーナリストであるウルリケ・マインホフは、筆の力をもっと信じて訴えることだって出来たはず。
爆破、銀行強盗、誘拐、銃殺…と何でもござれ。彼らが逮捕され、刑務所に収監された後も、新たなシンパによる暗殺や暴力の連鎖は止まらない。
打倒資本主義を掲げる彼らの信念、権力への抵抗など、動機は明確で立派だが、何せ、血が流れるのだ。
彼らはどこかで自分達の活動に酔っていたようにも感じる。国内だけでなく世界に衝撃を与えて、気を引き、声高に主張した。
劇中に過去に虐殺を行ったドイツ民族としての責任があるといったような台詞があったが、そうであるならば尚更、暴力を封じるべきだったと思う。
要人を襲うシーンでは、スローモーションを使うなど、演出も凝っていて、それが逆に、制作側が彼らを支持しているかのように感じて冷めちゃったなぁ。
この活動によって、良い方向に変わった事もあったかも知れないが、観ていて、気分のいいものではなかった。あまりに荒っぽいやり方は好きではない。
一回目と二回目の鑑賞とでは大きく評価が変わった作品だ。映画としての見応えはあるのだけどね。