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幸せは、ここにあるのsnowwhiteのレビュー・感想・評価

幸せは、ここにある(2021年製作の映画)
4.6
コメディ作家の主人公はチャリティに自分とランチする権利を出した。落札したのは売れないシンガーのエマ。主人公は期待してランチに行くが期待外れの相手だった。しかし二人は年齢差や貧富の差を超えて友情を育んでいく。



(以下ネタバレ)
主人公は妻を交通事故で失くしている。妻が交通事故にあう直前、妻と口論になり妻がすごく怒った状態で死んでいったことを主人公はとても辛く思っている。また母の死を主人公のせいと思い込む娘や息子とは疎遠になっている。

また主人公は少し認知症を発症していて多少仕事にも支障をきたすようになっている。エマは認知症に気が付いて主人公を気遣いサポートしている。

主人公の孫(娘の子供)のお祝い事があった時に主人公はエマを連れてお祝いパーティに行く。孫は主人公が大好きだ。娘は父が連れてきた黒人の若い女性を気に入らない。金目当てに父に近づいたのでは?と疑う。そんなことはお構いなしにエマは歌を披露し、天性の明るさで皆に踊るよう勧めて場を盛り上げる。

何日かして娘と息子は主人公の家を久しぶりに訪れるがそこにエマが住んでいたのでやっぱり金目当てに父に近づいたと激怒する。しかしエマは認知症が悪化した主人公を心配して世話をしていただけであった。

娘と息子はエマに諭される。もっとお父さんをしっかり見てあげなさいと。それにあなたたちのお母さんが亡くなったのはお父さんのせいではないですよと。

疎遠になっていたせいで娘も息子も父が認知症であることに気が付いていなかったのだ。娘は父から母の死についての真実を聞き、やっとわだかまりが解ける。家族は再生し、エマも父の良き友人として娘に受け入れられた。

期待せずに見たけどすごくよかった。主人公とエマの関係がすごく良かった。

エマの明るさや前向きなところ、そして優しさがとても素敵だった。主人公もまた職場や孫に対する態度を見ているととても優しいいい人なのが分かる。

職場の同僚たちが主人公を番組から降ろそうとした時にかばったプロデューサーも素敵だった。「そもそもこの番組が成功し長く続いているのは彼のおかげだ。どんなことがあっても彼を降ろすことはない。そう思ってほしい。」プロデューサーの強い言葉がうれしかった。過去にどんな功績があろうと捨てられるのが常だから。

観た後に暖かな気持ちになれる映画だった。大好きな映画がまた一つ増えた。
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