コーディー

かそけきサンカヨウのコーディーのレビュー・感想・評価

かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)
3.9
欠けた心や揺らぎを感じつつも大人になるしかなかった陽が父の再婚、友情から恋心へと移る陸への想いなどを通して透明だった感情と向き合う。〝言えるわけない〟葛藤を少しずつ言葉にする。水やりも塩加減も難しいけど心を込めて育てる、人も花も味噌汁も同じやねw優しい映画。

高校1年ながら父子家庭で家事が日課になっていた陽が、父の再婚により時々オカンに。そんな家族や居場所への悩みを同級生・陸も同じく抱えてて…なかなか形にならない二人の淡い関係性が穏やかに綴られる。愛ゆえに擦れ合う繊細な感情を長回しで見つめる演出にも惹きつけられるし成長に優しく寄り添う。

まあ割と薄味な内容ではあるけど志田彩良と鈴鹿央士というこれ以上ない透明感wピュアが織り成す思いやりの物語、その心地良さは抜群です!また新しいお母さんを演じる菊池亜希子さんの飾らないナチュラルな魅力、強さにもグッとくる。言葉の美しさや空気感も今泉監督の真骨頂と言った感じで好きです!

あと淡い物語を更に彩る中井友望さん演じる沙樹の存在も切なかったな。てか大人も子供も皆んな良い人過ぎるやろw
雨に濡れると透明になる花〝サンカヨウ〟の瑞々しさ、正にそんな空気感に心潤う映画でした。