真田ピロシキ

ドラゴンボール超 スーパーヒーローの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.5
ジャンプが嫌いなのでドラゴンボールとも随分ご無沙汰してたが、格闘ゲームのドラゴンボールファイターズを買ったら面白すぎてオラワクワクしてきたぞーその勢いで映画最新作を鑑賞。TVの超や新しいブロリーの映画は見てない。

これを見たいと思ったのはピッコロと悟飯がメインと聞いてたから。悟空とベジータは飽きてるんよ。敵はレッドリボン軍。やはり背が低いレッド総帥の息子が招いたのはDr.ゲロをも凌ぐという孫のDr.ヘド。まだ少年。って待て。さらっとドラゴンボールファイターズのオリジナルボスである人造人間21号のネタバレされてるぞ。まあ5年も前に出たゲームでドラゴンボールのストーリーに目くじらを立てることもない。今作のテーマはタイトル通りスーパーヒーローでDr.ヘドは多少倫理観は欠如しているがヒーローが好きなほぼ真人間。そんな彼にレッドリボン軍総帥マジェンダはカプセルコーポレーションのプロパガンダを吹き込むのだけれど、全くの間違いでもないのが困る。確かにブルマの夫は地球を侵略しに来た宇宙人である。ピッコロ大魔王と魔人ブウいるし。魔人ブウって地球人は存在を忘れてなかった?あそこまで詳細にリサーチしてるのにMr.サタンの伝説は信じてるのがどっか抜けている。忘れてたこのゆるさ。このコミカルさを見たかったんだ。

それを表すのは悟飯の娘パン。子供に懐かれることに定評のあるピッコロさん。実の祖父より遥かに可愛がるお方である。悟飯も幼少期を育ててたのはピッコロですので。パンの走り方がアラレちゃんなのがまたオールドファンには嬉しい。古いネタと言うとピッコロが飛行機を下手ながらも操縦するシーンがあって、これは伝説のドラゴンボールZオリジナルエピソード運転免許取得回を思い出させる。こういうのはいいんだよ。ダメなのは『復活のF』で「ヤムチャは置いてきた」と言わせたような使い古されたネットミームに乗っかっただけの安直なやつ。

新人造人間に苦渋を舐めさせられ味方となる戦力も乏しいピッコロはかつて悟飯とクリリンがナメック星で行った潜在能力引き出しを提案。それができるのなら今までもやってればよかったのではと突っ込みはしない。しかしデンデにはまだできないので神龍にやってもらおうというのは。アップグレード神龍ですよ。神龍ってソフトウェアだったの?なおドラゴンボールは悪人に利用されないようブルマが毎度回収してた模様。ドラゴンボールを独占する企業。やはり悪では。

さてさて、そんな感じで大きくパワーアップしたピッコロさんを存分に堪能できます。ピッコロさんの新形態はオレンジピッコロ!何だそりゃ。緑を捨てるな。悪役にしか見えない風貌。ドラクエの魔王のよう。あ、元々大魔王でした。ピッコロさん同様に失敗した新主人公として不遇だった悟飯にもスポットライトが当てられ、アルティメット悟飯をちゃんと覚えていたことに感激。ここまで来ると敵としては因縁のアイツだとセルもお目見え。残念ながらフリーザとは扱いが違いすぎて、倒されるためだけの存在。それでも巨大怪獣として暴れ回り、対向してピッコロさんが本人も忘れてた巨大化能力を駆使して足止めし悟飯に全てを託す胸熱展開。悟飯が放ったのはかめはめ波ではなく魔貫光殺砲!これは熱すぎる!悟飯のヒーローはピッコロであることが描かれている。これだけでも満足度高い。

今頃ヒーロー映画オマージュ?という思いは否めないが、ヒーローマニアに作られたので結構良い奴な敵人造人間コンビによるアメコミ擬音演出及びライダーキックや、再生怪人としてのセル、巨大化とアメコミ系と日本特撮のエッセンスを盛り込んだヒーローの特盛コースで楽しい。エンドテーマもどこもなくアベンジャーズっぽいぞ。注文をつけるならレッドリボン軍で人造人間とセルまで出てくるのだから18号のみならず17号も出してほしかった。悟空とベジータの尺が無駄。あんなんちゃちゃっと流してよかっただろうに。そこに何故かヤムチャがいると思ったら新ブロリーだった。初めて見たが傷が逆にあるヤムチャにしか見えん。しかも仲間なん?コイツらでまたインフレバトルされてもおもしろーないんで、しばらくは豊富な脇キャラで展開して欲しい。それこそアメコミ映画的で、別作品を同一世界の名目で無理矢理並べている向こうと違ってこれは本当に同作品キャラなので世界観の統一性は保たれてんじゃないかな。ヤムチャや天津飯がメインの物語を。私のドラゴンボールファイターズはヤムチャ、18号、天津飯の地球人チームを組んでいます。ヤムチャは使いやすくて強いよ!