竜どん

フォーエバー・パージの竜どんのレビュー・感想・評価

フォーエバー・パージ(2021年製作の映画)
3.3
SDGsが叫ばれる中この様なテーマの作品が恒常的にシリーズ化されているのは人種差別・移民政策・格差社会といった諸問題がアメリカに根強く残っているからだろうか。
本作自体にそれ程深いメッセージ性は無いものの、多民族国家アメリカにおける侵略(というと過激だが)する側される側双方向の鬱屈した「怒り」は感じ取れる。
必ずしも民族間・人種間での抗争が描かれる訳でもないが、主人公:墨系移民↔敵役:ネオナチ系白人で分かりやすく対立。主人公側もやられっ放しではなくその都度反撃、フォーエバーパージ側に対する殲滅度は味方の損耗より高く爽快感もある。主人公陣営を混成人種構成にすることにより白人=悪の単純図式化しておらずバランスも良い。
新たなる生命の誕生ラストは感動的だが、大国と弱小国家の立場の逆転はあながち可能性ゼロとも言い切れず空恐ろしい。荒唐無稽とも言えるプロットの作品ではあるが、時代の荒波に揺れるアメリカの危うさを垣間見る事のできる作品。
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