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フィアー・ストリート Part 1: 1994のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

車内で友人3人と。

2021年のアメリカの作品。

監督は「ハネムーン」のリー・ジャニアック。

あらすじ

何世紀も前から忌まわしい出来事が続く悪名高き街「シェイディサイド」。凄惨な殺人事件が繰り返し起こる街で、ひょんなことから複数の殺人鬼たちに命を狙われることになった高校生たちは街の住人たちを呪う邪悪な力に立ち向かっていく。

Netflix独占配信作品でまだ全然情報が出てない時から、なんかめっちゃ面白そうだなぁと気になっていたんだけど、やっぱこういうのは友だちとかと観たいなぁなんてこだわってたらどんどん時が過ぎ去っていき、この度ようやくタイミングが合って鑑賞。

今作、宣伝からもわかる通り、実は3部作!1994年が舞台となるpart1、その16年前の1978年が舞台のpart2、そしてそこから更に遡って312年前の1666年が主な舞台となるpart3と作品を追うごとに時代が遡っていくのが特徴的。

大体のシリーズものって「beginning」的な形で前日譚を描く作品はあれど、はじめっから時代逆行型で、しかも三部作で描くことが決まっているってNetflixもなかなか強気だよなw

ただ、序盤から極めてジャンル映画的。殺人鬼が現れてターゲットを次々に殺していき…というところからもそこら辺の雰囲気強め、加えて主人公たちもティーンの少年少女たちなのでティーンスラッシャー及びジュブナイル的側面が見受けられるなど、とにかくジャンル映画愛がそこかしこに詰まった作風で、つまりもうその時点で大好物。

ただ、時代背景からも分かる通り加えて、今もNetflix肝入りの作品であり、代名詞的なドラマシリーズである「ストレンジャー・シングス」然り今も再注目される「80年代」は今シリーズでは描かれず90年代や70年代など意図的に避けられてる点も興味深い。

ただ、スラッシャームービー的な歴史と重ねるならば90年代といえば「スクリーム」シリーズだし、70年代といえば「13日の金曜日」つまり稀代の連続殺人鬼ジェーソンシリーズなどが活躍した年代とも言える。

ということで、今作対峙するメインの殺人鬼はおらず、「どこかで見たことがあるような」複数の殺人鬼たちが登場し、まさに「デッドバイデイライト 」状態w

例えば初っ端から登場するライアン・トーレスはその骸骨マスクといい、ナイフを殺傷手段に使うなど「スクリーム」だし、ナイトウィングはジェーソンだし、ルビー・レーンだけは元ネタの殺人鬼が思い浮かばなかったんだけど、キャリーとかちょっと違うかもだけど貞子とかなんかな?

そんな感じで殺人鬼たちと対峙する主人公たちのグループなんだけど、主人公のディーナ(キアナ・マデイラ)とサマンサ(オリヴィア・ウィルチ)が同性愛者のカップルだったりと多様性を取り入れた構成で、明確な男性主人公キャラがいないのも特徴的。

また、そこに絡んで序盤では殺人鬼たちによる殺人事件が多発することから呪われた街的な曰く付きの街「シェイティーサイド」とその街の衰退によってある意味繁栄した隣町との対立軸なんかも絡んできたりして面白い。

特に序盤の隣町のジョックスたちとのカーチェイスシーンなんかはホラーとは関係ないシーンながら主人公たちが乗っているバスの後部のバックショットから捉える構図など新鮮なショットなんかもあったりして良き。

ただ、その主人公たちグループの個性がいまいち弱めだったり、複数の殺人鬼たちが出る分一人一人の殺人鬼たちのキャラクターが薄めだったりしたのは残念だったのかも。

あと、原作がティーン向けホラー=子ども向けなので肝心のスラッシャーシーンは弱め…と思いきや、終盤にかけて急にギアチェンしてめっちゃスプラッターしてキャラクターをバンバン情け容赦なしにブッコロしてくるのが油断してたのもあって面白かった。

まぁ、殺人鬼影薄い問題に関してはあくまでも召喚キャラみたいな感じでどうやら諸悪の根源である「魔女」の存在をそこかしこでちらつかせたりもあって、この後の2ないし3での直接的な対峙があったりもするんだろう。

ラストの終わり方だったり、エンドロールの後、2の気合い入りまくりの予告をドヤ顔で流したりとまるで続編観ることが確定事項のような感じなのは微笑ましかったw

そういう意味でも映画というよりもドラマに近い感じかなー。

全体のパンチは弱めながらもNetflixらしい強気な姿勢が微笑ましくもあり、なおかつジャンル映画愛も感じるシリーズの一作目ということでこれから続編を観るのも楽しみ。

まぁ、いつになるかわからないがw
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