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クライム・ゲームのSSDDのレビュー・感想・評価

クライム・ゲーム(2021年製作の映画)
3.5
■概要
1950年代とあるゴロツキ3人が前金付きで簡単な仕事と言われて雇い主不明のまま仕事を託される。
仕事の内容はとある会社員の家で家族を人質に書類を会社から取りに行かせると簡単な内容…のはずであった…。

■感想(ネタバレなし)
ロックストックアンドトゥースモーキンバレルズのように犯罪者が複数人出てきて、点がつながっていくようなクライム系の話は好きなのですが、本作は難解な上にタネが明かされるタイミングと内容のショッキングさが大きいのに明かし方を間違えている。

とてつもなく面白い題材を扱っていたのに前知識入れないと楽しめない内容になっているのが、評価を低くしている原因だろう。

しかし1950年代のファッション、車やギャングや立ち振る舞いがよく、映像美もある。主人公の一人がよく切れる男なことで魅入ってしまった。

正直ネタバレ必須過ぎて驚くほどわかりづらいのですが、私は割と好みでした。









■感想(ネタバレあり)
ようやく経済的安定が訪れた1950年代に車社会が発達、自動車各社が車を販売している中で排気ガスの汚染がひどいことから排ガス規制を国が方針を出し開発を急がせていた。

だが本当は排気ガスを抑えるシステム自体はできていたことを談合して各社が隠していた。理由は今市場に出ている車のリコールなど請けたくもないし、売り切ってしまいたいからだ。

この前提の上で、ただの排気システム設計図のために一家惨殺まで指示を出したことに違和感を覚え、金の匂いを嗅ぎつけたゴインズが素晴らしい才覚と度胸があるのだが、一部の国の連中も絡んでの隠蔽工作の一端として設計図を取り戻そうとしていたわけで、巨悪すぎる内容にイチゴロツキ程度では抵抗もできなかったという話。

まぁ表社会をひっくり返すような莫大なパワーを持った書類が存在して、取り戻した上で金を払う気もなかったのだからあまりに強欲な話しだ。

例えば石油資源に置き換わる新しい資源でクリーンかつ安価なものがどこかで見つかった場合、誰もが手にできる状態になるまでどのくらい時間を必要とするのだろうか…。
今の石油の利権や諸々各国のバランスや情勢を考えず、すぐに発表しリリースして手放しで誰もが恩恵に預かれるものだろうか…?絶対に秘密裏に根回しが行われて段階的に公開使用され、法整備が同時進行で行われていくのだろうなぁ…と想像に固くないですね。

無知は罪というが知ることで罪になりかねない事柄というのは実在するのだろうなぁと思えるいい作品でした。
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