鰻重

ガンパウダー・ミルクシェイクの鰻重のレビュー・感想・評価

3.3
2022/03/10 filmarks試写会にて。

「ファーム」と呼ばれる男たちの依頼のもと、殺し屋稼業を営むサム。
ファームの資金を持ち逃げした会計士から金を回収する依頼の際、成り行きから救出した会計士の娘・8歳9ヶ月のエミリーと協力してピンチを切り抜ける。時を同じくして、別の依頼を遂行した際に手違いでマフィアの一人息子を殺してしまったことが明らかに。マフィアにマークされ、資金回収も失敗。ファームから見放されたサムは15年ぶりに再開する母、サムの子供時代を知る仲間たちとエミリーを守るため共闘する。


う〜ん、なんとも。
ハマりそうかも…!と思うとすり抜けていくような不思議な映画だった。

サムの属する「ファーム」は会社として描かれているけれど、明らかに「男性社会」「権力(弱者を搾取する圧力)」のメタファーとして存在しており、女性や子供がその力に対抗していく強さが軸にあって、ウーマンライツの香りを強く感じた。
ただ、その香りを時にコミカル、時にグロテスクなアクションでさらに強い香りをもってまるっと封じ込めた、羊の香草焼きみたいな作品だなと思った。


いまいちハマりきれなかった理由としては、男性はとことん暴力的かつおバカに描かれ、女性は情に厚く強く賢いーーというキャラクター性が画一的すぎるように感じたのかと思う。
女性側のカタルシスのために男性側が不必要に愚鈍に描かれすぎるのもどうなのか…?という疑問。(これまでの作品で男女逆転したものが溢れかえりすぎて違和感を感じているのかもしれない。)
単純に言うとどうせならもっとスマートな人間を華麗にぶちのめしてほしいものだなと思った。

あとはなんだろう…ミシェル・ヨーはずるいな。
最終決戦のミシェル・ヨーを見るだけで価値があるかもしれない。

まとまらないので一旦このあたりで。
鰻重

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