鰻重

そばかすの鰻重のネタバレレビュー・内容・結末

そばかす(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

2023/01/05劇場にて。

すごく期待して観に行ってしまい、う〜んとモヤモヤしながら帰ってきてしまった。

見終わってしばらくして、私はこの作品にあるあるを求めていた、もっと言えば、息苦しくもがくところを見て共感したかったのだなあと腑に落ちた。

私は異性愛者で、性的な感情も抱くし香澄とは正反対のスタンスを持っている。
なのでその点に於いてのリアリティについては深く言及しないが、「友達だと思っていたのは自分だけだった」ときのどうしようもなさは経験のある人が多いと思う。
ただ私は逆の立場(好きなのは自分だけだった)にもなったことがあるので、より居た堪れなさを感じてしまう。
ラーメン屋の彼の無理解に腹立たしくもあるし、まあ気持ちわからなくもないよ…とも思う。
そしてそういう部分が、結果として香澄のような人たちを苦しめることになったりしてしまうのかもな、と視界の狭さを思い出すシーンでもあった。

さて、ここからは腑に落ちなかった原因、自分のひねくれをメモしておこうと思う。
一番大きなところは、この作品をフィクションと思えていなかった、という根本の勘違いです。(笑うしかない)

何もしてないのに(都合の)良い人と出会いすぎだな〜とか、家族に自分の意見は投げつけるけど家事手伝わない(あとから思い出したら洗濯物干してた、ごめん)な〜とか、まほちゃん夢みたいなキャラクターだな〜とか…そういうところが引っかかってしまった。
なぜなら羨ましいから。
自分の価値観を感情に任せて出してしまっても、次の日穏やかに朝食を囲む家族がいて、シンデレラの描かれ方に異を唱えて夜なべしてくれる友達がいて…
香澄の「ひとりで生きていける」はひとりじゃない確信があるから言えるセリフだなと思えるところが、実に羨ましかった。

妹のことも書きたかったけど疲れたのでこの辺で。
鰻重

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