コーディー

パリ13区のコーディーのレビュー・感想・評価

パリ13区(2021年製作の映画)
4.5
パリを舞台にした華やかな恋愛劇。ではなく、どこか空虚な都会で親密な関係を求めるも簡単に繋がれるが故にSEXの先にあるのは愛ではなく、自我も揺らぐ人間模様…
そんなデジタル世代のカジュアルさが招く愛への不信、と折り合い。をモノクロ映像により淡々と、少しの耽美を添えてwめちゃ好き!

裕福ではないけど貧しくもない、孤独という程寂しくもない。けれど何か満たされず欲求抱える普通の人々が多少の違和感に目を瞑って交わる。始め方はわかるのに畳み方は分からずw不毛で埋めるしかない脆さと不器用さ。
パリ感の全くない小さな世界で彷徨う彼女らの姿と、訪れる動的な瞬間に魅せられた。

主要人物の赤裸々な魅力にまず好き!ってなったしw特にこれが長編映画デビューとなるルーシー・チャンが素晴らしい!だらしなさとは一味違うエミリーの奔放なSEXライフwを性搾取などを過らせず流れるように魅せた上で、勝気に潜んだ感情を表出させていく。そんなエネルギー溢れる存在感に掴まれた。

人間関係だけでなく仕事にしたって目標を定めたところで描いた通りにはそうそう進まない。ならばと欲望に身を任せて、そのあと向き合うw
冷めてはいるけど、ある意味でシンプルな思考。〝偶然〟に救われることもあるかもよ〜な意外に人生に意味なんてない気まま感がナチュラルにスッと入ってくる。