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わたしは最悪。のmikeのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.5
つまり最高。タイトルが示すとおりに一面では語れない人間讃歌。自分/誰かが最悪だと思った人間も、自分/他の誰かにとって最高たり得る。ほぼ前情報なく観たのだけれど、監督はLvTの甥なのかー!
『僕の狂ったフェミ彼女』という小説に、彼氏が「正直さ、考えると怖くならない?将来、旦那も子どももいなかったら寂しいんじゃないの?」と問い、彼女が「その代わり、私がいるはず。」と答えるシーンがあるのだけれど、"That's it!"な映画だった。
「私の人生なのに傍観者で脇役しか演じられない」わたしがやらかしながらも人生をつかんでいく様子は、『フランシス・ハ』や『セレステ∞ジェシー』を思い出したりも。

結婚も出産もしてしまったわたしだけれど、いまだ人生の迷子なので、ユリヤの身勝手さの描かれ方の豊かさにぐっときてしまったし、自分もがんばろうという気持ちになりました。あと、その服どこで買ったのか教えてくれんか?ってなるほどファッションがツボでした。

だいじなできごとは準備も心構えも間に合わずに過ぎてしまうもの、という事象も各登場人物を通してくり返し描かれていた。観終わった後、その時!ジャスト欲しいもの!が来る、という幻想と折り合いをつけて、でも自分をあきらめず現実をやっていく、という話を最初からずっとしていたんだな、と思いました。
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