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わたしは最悪。のmityのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.5
観たい!と思っていた1本。滑り込めて良かった。

医学から心理学へ、そして写真家になるべく大学を辞めたユリヤ。軽やかに移動できるフットワークが軽い人物···ではなく、迷子になっているなというのが、ありありと伝わってくる人だった。

それは恋愛においても同じで。教授と関係を持ってみたり、モデルの男とも関係を持ってみたり、でも違うなって感じで、アクセルと寝てみたり。フラフラと男性の間を彷徨ってるユリヤは、アクセルと付き合うようになっても、ふと出逢ったアイヴィンに心を揺れ動かす。その浮気に片足突っ込んでるみたいな状態のユリヤの節操のない感じが、この映画から私を遠ざけたような気がする。

でも、ユリヤが抱いていたまだ何者でもない自分への焦りや苛立ちは、分かるなと思った。選択肢が多いようでいて、世間の価値観に縛られている感じ。自由のようでいて不自由な感じ。アクセルが社会的に成功をおさめていたのも、ユリヤのモヤモヤに拍車をかけていたように思う。

『わたしは最悪』身に覚えのあるタイトルに共感性を求めて観てみたけれど、この映画は私の話ではなくユリヤの話だったなと思った。


#87_2022
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