サンチャイルド

フラッグ・デイ 父を想う日のサンチャイルドのレビュー・感想・評価

3.8
新年早々に、見終わった後、5歳くらい年をとった気分になってしまう、ヘビーなストーリー。

主人公ジョンと同じように、娘を持ち、事業をやっている者として、こうなっちゃいかんぞという実例を心に刻ませてくれる。そうした戒めは有難い。(大きな悪は、自分の小さな悪を自覚していない者が犯すと私は思っている)

70~80年代とは、経済的環境において、成長の方向性が見出だせず、アメリカという国の影が最も濃くなり、大衆がその影に包まれた時代だろう。
この当時活躍していた、ブルーススプリングスティーンの歌などには、そうした行き詰まった人達が、よく描写されていた。その苦しみを記録してくれた映画ともいえる。
まるで、現在進行形で衰退している、今の日本を現しているかのよう。

ジョンという人の最大の失敗は、変われなかったこと。
変われない自分を塗布する為の嘘を撒き散らし、墜ちていく自分を見つめられなかった。なにより、変える勇気が無かった。
そう、この日本という国がそうであるように。