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悦楽のbrianのレビュー・感想・評価

悦楽(1965年製作の映画)
3.9
サラリーマンの脇坂(中村嘉葎雄)がかつて家庭教師をしていたころの教え子である匠子(加賀まりこ)を密かに愛し続けていたことでさまざまな出来事が起きてしまうサスペンスタッチの映画。

女、金、女、金、女…。
ここまで脇坂のような女や金にめっぽう弱い男を見せつけられてはサスペンスというよりもコメディに近いものを感じた。
熱演した中村嘉葎雄は小柄なこともあり、なんでも金で解決しようとする姿勢に途中から笑ってしまった。後味の悪い虚しさだけがいつまでも頭から離れない。
やはり自分で働いて金を稼いで女を抱くのが一番だ笑。

匠子は少女のような素直で優しい性格とは裏腹に芯の強さがあり鋭い観察力を持った女性と言えるだろう。
登場シーンは少なめではあるものの加賀まりこさまはこういう小悪魔的な女性が適任である。20代初めとは思えない落ち着きぶり。「乾いた花」と「月曜日のユカ」を好演したのも頷ける。

脇を固める役者たちの存在感たるや実に楽しい面々。
安定の大島組、野川由美子が悦楽度満点、邦画界のジミヘンこと草野大悟の狂気っぷり、小沢昭一的横領罪などなど。

https://youtu.be/adngxPeJxyA
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