楓

アリスとテレスのまぼろし工場の楓のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

中盤ぐらいまでは正直何を観てるんだろ?と思ってしまうぐらいストーリーが入って来ないと言うか、ざっくりとは理解出来るんだけど結局何が伝えたいんだろ?この作品はどこを観たら良い作品なんだろ?映像美?多様性的な事?青春?人生観?

と、意味不明とまでは行かないながらも【何を見せられてるんだろう?】感が半端無かったけど

中盤以降〜観終わって感じたのは、個人的な解釈にはなりますがこの作品は震災や事故などで大切な人を失い残された人達の鎮魂歌と言うか希望や願いをアニメーション作品にした作品だったのかなと感じました

突然命を奪われて未来が閉ざされてしまった登場人物にもそれまで生きた過去は確実に存在していて、ただそれ以上先は無かったとしても別の世界(黄泉の世界的な)が存在していてそこできっと生きている。現実に残された人達はきっとそう願いながら大切な人達の事を想い今を生きているだろうし、そういった現実的ではないと思いながらも祈る想いを死者の目線から描いた作品だったのだと感じました

作中で出てきた現実世界と言われていた(大人の主人公が居る世界)世界線に大人主人公が居たので子供時代に死んでるのなら大人になってる訳ないので同じ世界線じゃなくてパラレルワールドって事になるかと思うのですが、そこは死者側の希望や願いが描かせていたという事だったのかなと感じました

恋愛要素が強く描かれていたのも、消えるかもしれないって分かった後に急展開したので、人もいつ死ぬか分からないから言える内に言っとかないと後悔するよって言う青春と生きる事を織り交ぜたからこそこんな感じだったのかと思ったけど、そこが中学生の恋愛ってのが生きるって重みとどうも噛み合わないと言うか青春過ぎる感じでバランスが悪かった様に感じました

僕は大切な人を災害や事故で亡くした事はないので分からないですが、きっと当事者ならこの作品の様に生きていて欲しい。と願う事だろうと思います。
楓