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モガディシュ 脱出までの14日間のmityのレビュー・感想・評価

4.0
1990年、ソマリア内戦に巻き込まれた韓国大使館と北朝鮮大使館。相容れない両国が共に目指したのは、生存そして脱出。実話というのが信じられないぐらい、生きるか殺されるかの瀬戸際の緊張感溢れる展開の数々に、もう一瞬たりとも目が離せなかった。

韓国側のハン大使と北朝鮮側のリム大使、このふたりが賢明だったのだと思う。国同士が反目しあっている以上、簡単に手を取り合い信頼しあえるはずのない中、韓国側に助けを求めたリム大使、協力を持ち掛けたハン大使。カン参事官とテ参事官が揉めに揉めやりあっても、優先事項を生存と決めきったことが、脱出へと繋がったのだと思った。

脱出の為のタイムリミットに向かって、銃弾飛び交うなか突き進む一向。ダメージを受けながらも走り続け、あと少しという時のあの白旗には思わず声が出そうになってしまった。なんという失態···。

ほんの僅かなことで生死が分かれる戦場を、彼らはどう潜り抜けたのか。全員で潜り抜けられたのか。エンタメ化されていた部分もあると思うし、どこまでが実話に基づいているかは分からないけれど、でも確かに、敵対関係を越えて共に死線を潜り抜けた人々がいたというのが、本当に驚きだった。


#83_2022
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