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戦場のピアニストのNYoLoのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.7
戦争を題材とした映画を見ると、広大な宇宙で奇跡的に存在している地球で、恐らく最も知識と行動力を持った人間が、互いに蔑みあい殺しあうよう仕向けられる戦争というものが、確かに存在したしするんだと、吐きそうになる。

今回、監督がその時代を生きてきたこともあってか、ナチスドイツの蛮行を描いたどの作品より、ユダヤ人の日々の生活を生々しく感じ取れ、やるせなくてしかたなかった。本当に、人間がここまで残虐非道にさせられるということに、恐ろしさを感じた。

ラスト近くでシュピルマンをかくまったドイツ将校は、他にも多くのユダヤ人を救ったと、鑑賞後に複数サイトで確認したところです。後日談が気になって調べたら、元々は高校の先生だったらしくて、戦争さえなければ裁かれることもなかったし、きっと学生に慕われる素晴らしい人だったんじゃないかと思うんです。

戦争を生き抜いた主人公のストーリーだけど、戦争で亡くなった人のストーリーでもある。殺しあうということがどんなに馬鹿らしいことか、心が支配されるというのはどんなに危険なことか、また改めて心に刻みました。
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