ユーライ

007/サンダーボール作戦のユーライのレビュー・感想・評価

007/サンダーボール作戦(1965年製作の映画)
4.3
1~3作目にあったいかがわしさが突然払拭された。ボンドの倫理的な問題はそのままにしても。これまでは敵の姿がそれほど明確ではなく、ワンマンで事件を解決している印象があったが、今回は味方も敵の全体像もはっきりしていてスケール感がよく出ている。文字通り作戦なので、あくまでもボンドとはいえ大勢の一人であるのが良い。オープニングから示される海の碧さが鮮烈。ロケーションが効果的。注目したいのはカーニバルの最中に起きる追跡劇で、発砲が起こっているのに客や踊り子らが無反応に徹することにより、祭りの場を遊具のような舞台立てとして弄っている。最後の大海中戦では、これまで相手陣営が海に潜っていたのに対し、こちら側が空中に陣取り逆転する上下の構図が分かりやすい。ひたすらワチャワチャやってる運動会の様相。人食い鮫がボンドになる。とはいえ鮫たちの聞き分けが良過ぎて驚異として映っていないのが笑うが。やっぱり世界を裏で牛耳る“組織”がいる設定はアガるね。
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