家に帰りたくない少女家内更紗は雨降る公園で傘を差し出してくれた佐伯文に出会う。
家に帰りたくない更紗の思いを知り文は自分の家に誘う。
そこから更紗は文の部屋で過ごすことに。
口数は多くないがワガママを聞いてくれる文にすっかり懐いた更紗は、自らの意思で文の部屋に居ることを選ぶ。
しかし、文は少女誘拐犯として逮捕されてしまう。
時が経ち、かつてロリコン誘拐犯と誘拐された少女として世間に知れ渡った二人が再会する。
更紗にも婚約者が、そして文にも大人の女性の彼女がいた。
再会が二人にもたらしたものとは…
実力者ばかりでまずはその各々の演技力に脱帽する。
なかなかディープな絡みのシーンをみてあぁ、すずちゃんも大人になったんだと変な所で時を感じたりした。
文の幸せを崩されたことによって更紗が彼氏に怒りの感情を爆発させるシーンの臨場感のある迫力に魅せられた。圧巻の演技力。自分がその場所にいるような感覚になり思わず身構えてしまった。
世間から誘拐された少女として同情されたり詮索されたりとそれはどれだけ生きにくかっただろう。
なんでも慣れてしまえば楽と気丈に振る舞う更紗。
世間は無責任で不確かで愚かだ。
知りもしないくせにあることないことを正義の名の下騒ぎ立て煽る。
正確には覚えてないが「更紗は、更紗だけのものだ」みたいな文の言葉が印象に残った。
外部から何かを強制されてはならないし、コントロールされてもならない。
この先何か外部からとやかく言われることがあっても相手にせず僕らが知っていればという強さを持っていきたいと思った。
あらゆる犯罪の裏には愛の放棄が原因ってことが往々にしてあるように思う。
文が彼女に言った最後の別れの言葉は、本心ではなかったように聞こえた。