あるバナナ

流浪の月のあるバナナのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
3.5
松坂桃李!広瀬すず!松坂桃李!広瀬すず!
この二人の演技力が凄すぎて息を呑んだ。
一つ一つの表情や仕草も凄いんだけど、そもそもの役作り、二人の雰囲気が普段と違いすぎて、何ならちょっとショックだった。
広瀬すず、あんなに色気あったっけ?
松坂桃李、その歳で少年の雰囲気出せるのヤバすぎない?
水に浮かんで泣くシーンも美しすぎるでしょ。

生きるの下手すぎというか、賢く生きようとした結果、「やっぱり無理するのはきついわ。」ってなった二人の物語。
そんなことしたら問題になるって分かるだろ!とか、家に連れ込む前に連絡すべき場所があるだろ!ってコメントしたくなるポイントはたくさんあったけど、この二人はきっとそういう選択肢しか取れない人たちだったんだよね。
白鳥玉季の演技も、松坂桃李の心を惹き付けるには説得力ありすぎたし。
でも問題にはしっかり最後向き合ってたから、これからも頑張れって思う。

横浜流星はちょっと不憫な役どころだった。
大声で威嚇したり暴力を振るったりがクソなのは言わずもがな。
でも、広瀬すずを大事にしたいと思ってたのは多分マジで、気遣いを見せてる部分も実際にあった。
それでも、母親があの地獄みたいな実家から出ていってしまった喪失感のトラウマのせいか、農家長男の環境が作り上げた自己中な性格のせいかは分からないけど、彼が大切にしたいのは「自分の理想の広瀬すず」でしかなく、彼女のことを「自分のためのツール」としてしか見ない、人格ある対等な相手として扱っていなかったのが問題だった。
あの結末も……しゃあないなって感じ。

ただ、広瀬すずが運ばれる横浜流星の手を握ったシーンを見て、「お前そういうところだぞ!」とも思った。そういうことするから勘違いさせるんだよ!


社会的な正しさとかレッテルって結局人生を息苦しくさせるだけだよねっていうのと、人の過去に外野からコメントするのはひたすらウザいから止めようねっていうのを本作を見て再認識しました。

タイトル『流浪の月』の、「月」が何を意味してるのかは分からなかった!
あと、広瀬すずの濡れ場の絡みが思ってたよりガッツリしてたのに驚いた。
あるバナナ

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