このレビューはネタバレを含みます
原作未読。
雷、雨、ざわつく木々、橋を渡り色が一瞬変わる川、濁流、色使い、文と更紗の心情を表すかのカメラワークが見事。
文はロリコンでもない。
更紗は可哀想でもない。
自分もそうだ。色眼鏡で見てしまう。人って見たいようにしか見てくれない。
帰るところのない更紗を救った文。
文自身も更紗に救われる。
行き場のない二人の幼少期の環境は似ている。
物語が進むにつれて明かされる文の過去。文は育ちの悪い植物ではないよ。酷い母親!悲しい。
更紗だから、ありのままの姿を見せれたのだろう。互いが暗闇を照らす月の存在。二人だけの世界がある。