面白かった。
思春期をレッサーパンダへの変身で表現したのが100点。ビジュアルがかわいいし、実は結構凶暴な生き物だから、メタファーとしての違和感もない。
レッサーパンダになることを受け入れられず、狭い部屋の中で暴れまわるシーンは思わず泣きそうになった(思春期のああいう辛さは誰もが経験してるはず)。
ずっと怒ってるアビーが可愛かった。
時々目が少女マンガになる表現も好き。
この手の映画はスタジアムを破壊した後、そのケアを一切描かないことが多いけど、一応のフォローがあったことにも驚いた。
まあさすがに一族の争いに巻き込まれた観客とか関係者の気持ちは想像してしまうけど。
一方で、あの母親はなぜ自分がされて嫌だったことを子供に押し付けるのかが良くわからなかった。毒親とはそういうものと言われればそれまでだけど。ああなるなら子供を作らなければいいだけなのに…。そういう部分でも呪われた母親(何世代にも続く)ってことなのかな?
しかしこれは統一教会で揺れてるタイミングの日本で公開してほしい映画だったな。因習とか血筋とか儒教を批判してる作品。
悪として描いたものを全部回収していくお行儀の良さは非現実的に思えるけど、フィクションくらいは正しくあってほしいというピクサーならではの姿勢なのかも。
でもこれ企画時は明らかに中国マーケットを狙ってただろうに、その辺はどうだったんだろう。
4が不吉と繰り返し、4人友達が5人になる展開はわかったけど、5人組アイドルが4だったのはどういうことだったんだろう。
WIREDの記事によると、ピクサー伝統にストーリー会議をやらなかった作品とのこと。ジョン・ラセターがいなくなって試行錯誤してるのかな。確かにストーリーはあまり重視させれてない作品ではあった。
やっと映画館で見れたのは嬉しかったけど、さんざん映画館で宣伝だけして公開せず自社メディアのみで公開したディズニーの判断はずっと批判し続けたい。ディズニーは滅びろ。
レッサーパンダになる呪いを受け継いだ毒親が娘を受け入れる話。