Chunkie

最後の決闘裁判のChunkieのネタバレレビュー・内容・結末

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 この映画にどう数値化してスコアをつければ良いのか。書いてる今もまだ分かっていない。

 冒頭除く全三章で構成される本作。それぞれ、見え方が全く異なる。特に、マルグリット視点の三章目は、未だに見られる有害な男らしさや裁判でのセカンドレイプ的な質問は、本当に目を背けたくなるほどだった。

 劇中二度繰り返されるル・グリによるレイプシーン。ル・グリ視点では、演出やカメラによってマルグリッドの本意があえて明確化されないことにより、三章の同場面での身勝手さや非道ぶり、レイプ犯罪の凶悪さが強調され、座席で身もだえ、吐きそうだった。

 タイトルにもあるクライマックスの決闘裁判。その結実と傍観者たちを見るに、この決闘自体が結局は男の地位や名誉を守るために利用される。ショー感覚で楽しむ国王や民衆も誰一人として彼女の真の味方などいない。

 ラストの息子とのシーンでさえ、未だ彼女は救われているようには見えない。この救い様のない煉獄のような世界は時代が進んだ今とさほど状況は違わないことを痛烈に示すラストカットの視線、まだ脳裏から離れない。
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