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カード・カウンターのsonozyのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
4.0
アメリカ各地のカジノを転々としながら稼ぐ孤独なギャンブラーの男をオスカー・アイザックが演じたポール・シュレイダー脚本/監督作。

10年の実刑判決(8年で出所)による刑務所生活で技を磨いたブラック・ジャックを中心にカジノで稼ぐ自称ウィリアム・テル or ビル・テル(オスカー・アイザック)。
カジノのホテルには泊まらず、近くのモーテルに部屋を取り、あるお決まりのルーティーンを行う、オールバックでクールにキメた男。

タイトル『The Card Counter』は、ブラックジャックの場のカードをすべて数える(記憶する)ことで勝率を上げる男、テルのことですね。

ある日、カジノの上階で開催されていた、退役軍人ジョン・ゴルド少佐(ウィレム・デフォー)のセミナー会場にぶらりと入ったテルは、隣に座っていたカークという青年(タイ・シェリダン)から突然連絡先のメモを渡される。

カークの登場により、テルの過去、実刑判決を受けた理由が明らかになっていく。

カジノに目を付けられない程度に控えめに稼いできたテルだが、それを機に、ギャンブルの投資者をコーディネートするラ・リンダ(ティファニー・ハディッシュ)と手を組み、彼女が手配するカジノで稼ぎ回るため、カークを弟分か息子のように連れて旅することになる。。

主人公テルのキャラクター設計・心理描写が秀逸。
影のある目と表情。
モーテルの部屋での不思議なルーティーン。
背中に彫られたメッセージ。
ゴルド少佐との過去。その映像表現。
カークが抱えていた感情への対処。
ラ・リンダとの関係・・・

影のある目と表情のオスカー・アイザックが適役でした。
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